外出先で「今日の献立どうしよう」と考え始めて、そこで止まることがよくあります。
冷蔵庫に何が入っていたか、思い出せないんですよね。買い足すべきなのか、家にあるもので足りるのかが分からない。
作る日か、作らなくていい日かは、だいたい分かっています。分からないのはそこから先です。
レシピを増やせば解決すると思って、アプリにお気に入りを登録したこともあります。登録するだけで、見返しませんでした。
増やす方向ではなかったんですよね。
先に結論だけ書くと、献立が決まらないのは、メニューが思いつかないからではありませんでした。この食材をどう使えば美味しくなるのか、それが決まっていないからです。
だから私は、メニューを決めるのをやめました。かわりに決めているのは、家に何があるかと、それをどう調理するかの2つだけ。決める場面そのものが減ったので、止まらなくなりました。
献立が思いつかないのではなく、食材の使い方が決まっていない
いちばんしんどいのは、レシピが思いつかない瞬間ではありません。
この食材はどう使えば美味しくなるんだろう、と考え込む瞬間です。そもそも私は料理の経験が多いほうではないので、そこに「本当にこれでいいのか」が乗ってきます。これは食べられるのか、どうやったら食べられるのか。
だからスーパーでも同じことが起きます。安くなっている食材を見つけても、使い方が浮かばないものの前では、買うか素通りするかで迷います。そして、その迷うこと自体に疲れる。

料理が苦手だと感じている人は、たぶんここで止まっています。レシピを増やしても、この止まり方は解消しません。増えるのは選択肢で、減らしたいのは迷いなので。
決める対象を変える。私がやっている3つ
決められるようになったのではなく、決めるものを取り替えました。メニューではなく、食材と調理法のほうを決めています。
記憶ではなく、目の前の食材で決める
外出先で冷蔵庫の中身を思い出そうとすると、まず止まります。記憶の中の食材では、使い方まで浮かばないんですよね。
なので、思い出すのをやめました。帰りにスーパーに寄って、棚に並んでいる実物を見ながら決めます。目の前にあれば「これならこう使える」まで一息で決まる。特売を見て決める日もあれば、いいものがなければ普通の価格で食べたいものを買う日もあります。
帰り着いてから考える力は残っていません。決めるのに使う材料を、頭の中から目の前に移した、という話です。
※ そもそも「今日は作らない」と決めてしまう日の話は、家に着く前に「作らない」を確定させる7つの逃げ道に書きました。ここは作ると決めた日の話です。
決めるのを2段階に分ける
一度に全部決めようとすると止まります。なので分けました。
まず作る日か、作らなくていい日か。これは家に着く前に分かります。次に、作る日なら何を使うか。ここは店か冷蔵庫の前で決める。
「今日はこれだ」と決めつけないようにしたのも同じ理由です。決めたとおりにならない日もあるので、最初から幅を持たせておくほうが、結果的に早く着地します。

迷う食材より、簡単そうなものを選ぶ
安ければ試しに買うこともありますが、迷う時間が長くなるくらいなら、最初から簡単そうなものだけを選ぶようにしています。
選択肢を増やさないほうが、決める回数は減るので。
家族に聞いても決まらないことがあります
食べたいものを一応聞いています。返ってくるのは、だいたい「なんでもいい」です。
これ、選択肢が減らないので、聞く前より決まらなくなるんですよね。
かわりに必ず聞いているのが体調のほうです。胃もたれしていないか、体調はどうか。これは答えが返ってきますし、何を作るかがはっきり絞れます。軽いものにするか、しっかりめにするか。それだけで方向が決まる。
何を食べたいかではなく、どういう状態かを聞く。答えられる質問に変えるほうが早いです。
料理が苦手でも、決まらないまま成立する形を1つ持っておく
ここが一番効きました。
決まらないまま作り始めることは、普通にあります。その日は、フライパンでまとめて蒸し焼きにします。
野菜とチキンを入れて、冷蔵庫にあるものをどんどん足していく。料理名は付けていません。あるものを蒸し焼きにしただけです。それでも何があってもなんとかまとまるので、これが私の最後の受け皿になっています。
味付けは塩と胡椒でシンプルに。バジルをかけると引き立ちます。

これのいいところは、献立を決めなくても着地することです。「何を作るか」ではなく「何を入れるか」に問いが変わるので、止まりません。
洗い物も少なくて済みます。フライパンが食洗機に入るサイズならベストですが、そうでなくても手洗いは少なくて楽です。
得意な形を1つ作っておく。レパートリーを増やすより、こちらのほうが私には効きました。
毎回同じものを頼んで、使い方のほうを固定する
もうひとつやっているのが、届くものを固定してしまうことです。
らでぃっしゅぼーやの定期宅配を使っているのですが、直近1年ぶんの注文履歴45回分を数えたら、頼んだ数が多い順にこの7品でした(2026年8月16日時点で数えた実数です)。
そして大事なのは、この7つの使い方が全部決まっていることです。
| 届くもの | 1年で頼んだ数 | 私がしていること |
|---|---|---|
| 納豆 | 73個 | 毎日欠かさず。ご飯にかけるか、梅を混ぜてそれだけで食べる |
| ミニトマト | 47個 | 洗って半分に切ってサラダ。蒸し焼きに入れると旨みが出る |
| ミニとうふ | 45個 | 毎日欠かさず。塩をかけるだけ |
| きゅうり | 43個 | 味噌か塩につけて食べる |
| 小松菜 | 43個 | 蒸し焼きの大定番。ほかの野菜と合わせて塩と胡椒で |
| 牛乳 | 43個 | コーヒーに入れていたが、最近は減っている |
| たまご | 42個 | 毎日欠かさず。塩をかけるだけ |
※ 上の数は頼んだ個数の合計で、注文の回数ではありません。1回にまとめて2つ頼む週があるので、45を超えている品目があります。品目ごとに「その品が入っていた注文の回数」で数えると、多いもので45回中44回、少ないものでも37回でした。
見てのとおり、調理がほとんど入っていません。切る、塩をかける、混ぜる。それだけです。
つまり私は、献立を決めているのではなく、「これが来たらこれにする」という対応表を持っているだけなんですよね。決める場面が最初から発生しない。
買うのは、その日の帰りに寄ったぶんだけです。1週間ぶんが勝手に届くので、そこは考えなくて済んでいます。届く中身と金額、それに向かない人のことは6年以上続けている食材宅配の記録に書きました。週末にまとめて決めるのは苦手なのですが、届くほうを固定してしまえば、まとめる作業自体が要らなくなります。
納豆は、たれを使わずに梅を混ぜて食べることが多いです。中身が分かるものにしたいという理由なので、たれを使う人を否定する話ではありません。私は、口に入るものの中身を気にするほうなので、そこだけ条件として残しているという話です。
続かなかった方法が5つあります
効いたものだけ並べても参考にならないと思うので、やめたほうも書いておきます。
- 週間献立表を作る — 1週ぶん埋めるだけで面倒になりました。3週も続いていません
- 1週間分の食材をまとめて準備する — 考えすぎて疲れました。決める回数を減らすつもりが、決める密度が上がっただけでした
- 週末に1週間分の作り置き — 土日が平日のための労働時間になって、しんどくなりました
- レシピアプリのお気に入り登録 — 登録するだけで満足して、見返しませんでした
- 料理が上手な人に教えてもらう — 教わること自体はよかったのですが、実際に作るのは大変でした

並べてみて分かったのですが、5つとも「先にまとめて決めておく」型です。前倒しにしただけで、決める総量は変わっていない。むしろ一度にまとめて決めるぶん、疲れ方は大きくなっていました。
私に効いたのは前倒しではなく、決める対象を取り替えるほうでした。
決まらない日は、決めずに済ませます
作ると決めた日の話をしてきましたが、決めない日も普通にあります。
宅配のお惣菜を頼んでいる日は、そもそも決める場面がありません。私はいつも決まったものしか選んでいないので、届いたら食べるだけ。どれが届いても食べられるので、それで済ませる日はけっこうあります。
レトルトは減りました。原材料が気になるようになったのが理由です。これも私たちがそういう家だという話で、気にしない家庭はそれでいいと思っています。
決める場面をまるごと無くしたいなら、おかずがまとまって届く形もあります。手料理サブスクのツクリオは、管理栄養士監修のメニューが冷蔵のまま届くので、届いたら温めるだけです(2026年8月19日時点の公式サイトの記載より)。
この形のサービスを5社、送料と締切まで同じ条件で並べた表は共働きで使える5社の比較にあります。
この決め方が合わない人
ここまで書いた方法は、たぶん次のような人には合いません。
- 料理そのものが好きな人 — この記事は決める回数を減らす話で、作る楽しみを増やす話ではありません。献立を考える時間が楽しいなら、減らす理由がないと思います
- 栄養バランスを献立単位で管理したい人 — 「あるものを蒸し焼きにする」は、栄養設計とは逆の考え方です。数値で管理したいなら、献立を先に決める方法のほうが向いています
- 食材の種類を毎週変えたい人 — 定番を固定するやり方なので、同じものが続きます。同じ味が続くのが苦手なら、この方法は退屈だと思います
決めるのに20分かかっていた話
最後に、引っかかっていたことを書いておきます。
献立を決めるのにどのくらい時間を使っているか、意識したことがありませんでした。数えてみたら体感で20分くらいでした。
これ、作る時間には入っていない20分です。しかも仕事の帰りに、疲れている状態で使っている20分でもある。
料理の時短を考えるとき、私はずっと「作る工程」を短くしようとしていました。でも実際に重かったのは、その前の決める工程のほうでした!ここを減らすほうが、結果的にラクになりました。
まとめ|献立の決め方を、メニューから食材に変えました
献立が決まらないのは、レパートリーの問題ではありませんでした。食材の使い方が決まっていないのが原因でした。
私がやめたのは、メニューを決めることです。かわりに決めているのは、食材と調理法の2つだけ。持ち方はこの3つです。
記憶ではなく、目の前の食材で決める。決まらない日は蒸し焼きに流す。届くものと使い方を固定する。
料理の経験が多くなくても、これなら回りました。というより、経験が多くないからこそ、仕組みのほうを先に決めておく必要があったんだと思っています。
それでも作りたくない日はあります。その日は決める話ではないので、買ってくる・ストックで組む・頼むの3系統のほうが役に立ちます。

